おしゃれなパウダールームの有無を執拗に確認してくるヨネスケ 2012年06月10日 妄想 トラックバック:0コメント:0


ナチュラルローソンがあるのだから「不自然なローソン」もあるに決まってる!わいは見つけ出したるでぇ!

そう思い立って僕はコートを一枚肩にかけて、夜の街へと繰り出した。


 
 
しばらく街中を歩き廻って探したところ、あったあった!やっぱりありよったで不自然なローソンがよお!
初めて見たにも関わらず、ここが例の不自然ローソンだということがすぐに分かったのは、まずローソンの色が黄土色だから。

さっそく、自動ドアよ私の足元から続く栄光の道を開きなさい!と自動ドアの前に立ってみたものの、あれれ、なんだか不自然だ、全く開かない、ドアノブなど無い、どう見ても自動ドアの形相をしているというのに。
仕方なく僕は指をこじ入れて無理やりnot自動ドアを手動で開いた。

入店してみてまたもや驚いた。
なんと店員が全員不自然なのだ。

どこがどう不自然なのかと聞かれたらいまいち説明しにくいが、一人はずっと手に「勝訴」と書かれた半紙を持っているし、もう一人は客などそっちのけで土佐犬と死闘を繰り広げているし、店長らしき人は顔に「店長」という刺青を入れている。

商品の方へと目を向けてみると、おにぎりは全部コンドームに包まれているし、コアラのマーチは違法麻薬の扱いがされているし、とんがりコーンは凶器にもなり得るので会計の際には身分証明書の提示が必要とされている。

よく見てみれば客の方もなんだか不自然だ。
黒ぶち眼鏡の縁の部分を自分で白く塗り直していたり、明らかに財布を一度天ぷらにして揚げた痕跡が見られたり、店員のことを生き別れになった兄弟だと思い込んでいるし、雑誌コーナーでは全員逆立ち読みをしている。

そうか、ここが不自然ローソンか、納得がいった、経験もできた、よしそれじゃ帰ろう。
僕は安いミルクティーを持ってレジに行った、店長は「お箸ご利用になりますか?」と聞いて来た、僕は「はいお願いします」と言った、店長は袋の中にミルクティーと一緒にコンドームを入れて来た、箸は入れなかった。

僕は自らも不自然になるなら今だと「そうそう、ミルクティーを飲むならコンドームだよね!」と笑顔で言った。
すると、店長はすごく悲しそうな目をして「私にも、かつては結婚を考えた相手がいました…」と語り出した。
意味がわからないながらも僕は彼の話を聞いた、後ろには客の列が出来ていたから、他の店員も客をさばけよと思ったけど、手が空いている唯一の店員は土佐犬に喉笛に喰らいつかれているところだったのでそれは酷だと悟った。

店長が実は北斗神拳の伝承者であり、胸に七つの店長と書かれた刺青があるところまで話を聞いた後、会計が終わって店から出ようとした時、店長は「もう二度とこんな所に戻って来るんじゃないぞ」と刑務所出所者にでも言うかのように言った。

自宅へと帰って来た僕は、ドアの前に立ちながら、ふと何か違和感というか、不自然な感覚に捕らわれた。
何故なら、僕が今や自宅だと認識することができるのは、不自然ローソンただ一か所となっていたからだ。

自然は不自然へと回帰し、不自然もまた自然へと回帰して、表裏は一体になる。
無意識のうちに僕は遠回りをして、にやにやしながら黄土色の不自然ローソンへと帰って来ていたのだった。

自動では開かなかったはずの自動ドアが、なぜか独りでに、スッと自動で開いた。

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