悩んでる事とかあったら遠慮せずに相談してね、友達でしょ? 数十億もらうけど 2011年09月07日 日記 トラックバック:0コメント:0

たまには真面目に昔の話をしたいと思う。
といっても、正確には僕自身の話ではないが。


 
僕が中学生の頃、同じ高校の先輩に「ホッピー」というあだ名の先輩がいた。
私立の一貫校に通っていたので、中学生の僕らも彼を同じ学校の先輩と認識していた。

僕が初めてホッピーの存在を知ったのは中学一年生ぐらいだったにもかかわらず、その後ホッピーを3年以上見た。
そう、彼は高校で2回留年するという偉業を達成していた。

ホッピーは正直とても変な人だった。
ホッピーは数年間同じ靴を履き続けている割には靴がびっくりするほどきれいなままで新品同然だった。
僕が当時駅から学校へ行くときに、ホッピーは同級生に「なんで靴そんな白いん(笑)」とバカにされて不愉快そうにしていた。
靴が汚すぎてバカにされるならまだしも、靴がきれいすぎてイジられている人を見るのは後にも先にもこれっきりだった。

その後もホッピー伝説はいろいろと続いた。
体育大会でホッピーが走っていると中学・高校の後輩先輩ほとんどから良くも悪くも注目され、笑われていた。
僕らが昼休みにちょっとホッピーを学内で見かけただけで「ホッピーや!」と叫んで、何故か笑いが発生する。

僕の出身中学・高校は全国的にもかなり知られた野球などのスポーツ強豪校で、それこそ全国新聞に掲載されるぐらいの有名な先輩や同級生が在学中もたくさんいたけれど、学生生活で最も話題に上った回数が多かったのはホッピーかもしれないというぐらい。

今でも僕はホッピーの本名を知らない。
周りも彼の本名を知らず、それ故にホッピーという名前が一人歩きしてますます彼のキャラを強めた。

僕は当時今以上に頭も悪くて自分のバカさ加減にも気づいていなかったので、その光景に大して疑問も持たず、ホッピーを嘲笑することはしなかったものの、自分もホッピーを近寄り難い変わり者と認識していたし、周りの人間の異常さには気づかなかった。

ホッピーは何事にも要領が悪くて内向的な性格で挙動不審な、世間から避けられ気味の人であったと思う。
今風の言葉で言うと「真面目系クズ」であり、別に他人に迷惑や危害は一切加えないけれど、均一な社会集団から能力的・人格的に多少異質とされ、結果的に社会や集団に馴染めないようなタイプの人だった。

と言っても、正直ホッピーは同級生からはどう見られていたかは分からないが、僕ら後輩からは「変な人ではあるが、生き様が面白い、愛すべきおっさん」みたいな目で見られていたこともまた事実だった。
なんだか自分たちの学校生活の中だけの内輪の名物みたいになっていて、見つけたら何故かテンションが上がることさえあった。

ホッピーが決して嫌われていたわけではなく愛すべき変人として見られていたのを象徴することが、僕が高校生になって起こった。

そう、とうとうホッピーが卒業したのである。
卒業式の写真やグラウンドでの3年生たちの集合写真で、数百人いる生徒の中にホッピーが映っていた。
眩しそうに、そして思いの外清々しい感じの表情でカメラの方を見ていた。

これを見た僕らは「ホッピーがとうとう卒業した!!」「ホッピーめっちゃええ顔してるやんけ!」と騒いでまた笑った。
この時僕は初めてホッピーが、実は僕らの中で半ば愛されていたんだと知った。
世の中にはホッピーのような人間がいることこそが自然であり、本来的であり、おもしろいのだ。


お元気ですかホッピー?
僕もクズになりました。

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