「良いではないか良いではないか」と言いながら中尾彬のネジネジを回しほどく悪代官 2010年10月04日 日記 トラックバック:0コメント:0

↑野です。

実はこっちに来てからずっと何年も困っていることがあるのですね。
何かと言えば、体育会系のアメフト部やラグビー部の大学生の人たちから間違えて挨拶をされるのです。

というのも、僕は全盛期の頃には身長175cmで体重が82kgありまして、今現在も80kgの身体をしているのですが、さらに悪いことに僕の自宅付近には体育会系の練習場があり、僕が毎日学校や街へと出かけるために通る道にはたくさんの体育会系ボーイズが群れをなして歩いているのでこのような面倒くさい事が起こるのです。


べつに良いではないかと思う方も多いとは思いますが、やはり困るわけです。
まず相手の子が可哀想。
そして僕が可哀想。

大学という場所は中学や高校とは違って毎日同じメンバーが顔を合わせるとは限らない、良くも悪くも柔軟な環境となっているので、部に入ってから1か月経つけどまだ会ったことない先輩がいるなんてざらなんです。

そのため、まだ自分の所属する部の先輩の顔と名前が一致し切らない新入生がたくさん入学してくる春の季節によく上記の現象が起きるのです。

可哀想に、もうね、目がものっすごい怯えてる。
上目遣いの子ウサギみたいなってる。
彼らは恐らく僕という人間を見たその刹那、いろいろなことを考えたのでしょう。

あの人どう見ても身体はラグビー部っぽいけどあんな人いたかな?あ、でももし先輩なのに挨拶しなかったとなると後でどんな事になるか分かったもんじゃない、間違っていてもいいからとにかく挨拶しなきゃ!と。

皆さまもご存知のように体育会系は上下関係が非常に厳しく、礼儀を重んじる文化があります。
ましてや大学生の体育会系ともなると、選ばれし生粋の体育会系だけが部に残りやすいというのが現状。

そして春の日差しの下、光り輝く新米ラガーマンたちは尊敬と畏怖の目で僕を見ながら言うのです。

「こんにちはーっすっ!」

めちゃめちゃびっくりします。
当然でしょ、全然見たこともない屈強な男たちが急にこっちに向かって大声で挨拶してきたらそりゃちょっとしたゲイポルノビデオ出演依頼のスカウトかなとか思っちゃうじゃないですか。

そして挨拶をされた方の僕も同じく一秒間に16回もの高橋名人もびっくりの速さでいろいろと考えるわけです。
俺ラグビー部じゃないし、相手全然知らないし、応える必要はあるのかと。
しかし相手を間違えているとは言え、無視をしたら彼らの誠実さを台無しにすることになるのではないか、そもそも、この日本社会ではかつてより、見知らぬ他人同士でも平気で挨拶を交わすことでコミュニティ内での人間関係の良好性を保ち、相互に気持ち良く生きる文化があったではないか。

そう考えた瞬間僕の素晴らしい演技力が顔を現し、自転車に乗る背筋は途端に伸び、表情は厳しい試合を何度もくぐりぬけて来た獅子のごとき凛々しいそれと豹変し、落ち着いた賢者の態度で言い放つのです。

「おう」


これが気持ちいいんですな。

なにこの快感。
こっちは毎日クソみたいな生活を繰り返す、布団が大好きなダメ大学生だというのに、あの日本有数の大学ラグビーの名門の部の屈強でエリートのラガーマンたちが我先にと僕に頭を下げて尊敬の目で見て挨拶してくる…。
まるで僕が物凄く偉大なスポーツマンにでもなったかのようなこの錯覚。

そしてもう後には戻れなくなりました。
そのやりとりを周りの多くの人々が目撃し、そしてそれは何度も繰り返されました。

もう後には戻れないのです。
僕はこの街のあの道の上では、しがない出不精で体育会系精神の欠片もないただの一ゴミクズニート学生であることを捨てて、数々の実績を築いた、猛々しく屈強な肉体を引き下げ、尊敬の念を多くの後輩たちから一挙に浴びるみんなの憧れの超絶エリートスポーツマンを演じ続けなければならなくなったのです。


今日も秋の爽やかに晴れ渡る気候の下で、キンモクセイの香りに包まれながら、多くの若い青年たちが活気ある声を飛ばし合う。

「こんにちはーっす!」
「おう」

「ちわっす!」
「おう」


もしかしたら、あなたの見ているその先輩ラガーマンは。
戻るに戻れなくなった似非ラガーマンの馴れの果てなのかもしれませんね。

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