お正月だよ!24時間テキストマラソン 15 2010年01月01日 企画 トラックバック:0コメント:0

お正月、お正月、お正月と言ったら

おもち、おもちと言ったら

やわらかい、やわらかいと言ったら

やわ肌、やわ肌と言ったら

ドモホルンリンクル、ドモホルンリンクルと言ったら

申し訳ございませんが初めての方にはドモホルンリンクルはお売りできません、申し訳ございませんが初めての人にはドモホルンリンクルはお売りできませんと言ったら


うさんくさい、うさんくさいと言ったら

うんこくさい、うんこくさいと言ったら

なぜかたまにうんこくさい都会の随所、なぜかたまにうんこくさい都会の随所と言ったら

新宿、新宿と言ったら


新宿と言ったら…


タカシは、あいつは今頃どうしているんだろうか。

タカシ「俺はこんな田舎町で農業なんてやって一生を終えたくないんだ!なあ、シンちゃんなら分かってくれるだろう!?一度きりの人生なんだぜ!?」

シンジ「気持ちは分かるさ、分かるさ…。でも俺はやっぱりこの街を、街の人たちを捨てられないよ。」

タカシ「くっ!そうやって一生この街と共に寂しく廃れていけばいいさ!!」(バッ!)

シンジ「タカシ!!」

タカシはそれ以来故郷には戻って来なかった。
しばらくして僕も結局東京に出稼ぎに行くことにした。
ちくしょう、これじゃあタカシと変わらないぜ。

東京の空は驚くほどに狭かった。
ビルとビルがひしめき合い、とてもこんなものが人間に作れるものだとはにわかには信じられなかった。

僕は新宿にアパートを借りて住んだ。
築40年以上のボロアパートだ。
たまに下水の匂いが街全体を覆う。
こんなに高度で大きなビルはたくさん建てられるのにこんな匂い一つは消せないのか。

ほどなくして僕はアルバイトを始めた。
到底信じられない奇跡の起こる処へと履歴書を持って。

?「シンジ、シンジか!?」

シンジ「タ、タカシ!!」

今思い出しても信じられない。
なんとタカシはミュージシャンを夢見て東京の新宿へとたどり着き、路上バンド生活を繰り返しているとのこと。

しばらくの間お互い時間を忘れて語り合った。
夢のこと、故郷のこと、お互いの身の上のこと。

しばらくの談笑の後、
タカシはおもむろに重い口を開いた。

タカシ「シンジ、俺と、二人で同じ夢目指してみないか?」

シンジ「そ、そんな、俺…。」

タカシ「不思議なもんだ、お前となら…随分と掴めそうな気がするんだ。」

シンジ「…………どうかな。」


僕はその日、初めて新宿駅前の路上に腰を沈めた。
新宿の地面は、思ったよりも随分と冷たかった。

トラックバック URL
http://ueno3460.blog8.fc2.com/tb.php/305-6b1acd38
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)