Igarshi the Sweetness Reporter 2009年10月31日 純ネタ トラックバック:0コメント:0

アナウンサー「全国の人妻・団地妻の皆さんこんにちは!始まりました五十嵐先生のグルメリポート番組、『ナマコ最初に食った奴どうかしてる』!アナウンサーの斉藤です。」

五十嵐「こんにちは皆様。本日はぎりぎり東京都内にある老舗レストランに来ております。ここに来る途中のロケバスの中でスタッフ皆でUNOをしたら私だけ全員からドロー4を集中的に浴びせられ、少し険悪なムードが漂っています。」


アナウンサー「いや?、どの様な料理が出てくるか楽しみですね先生。」

五十嵐「そうですね、楽しみじゃないと言えば嘘になります、どちらかと言うと楽しみ過ぎてレストランによくある紙で個別包装されたストローの片側を破ってストローに息を吹き込んで包装紙をロケットみたいにピューと飛ばす悪ふざけをしたら紙が隣の席まで飛んで行ってしまいただでさえ人見知りであるにも関わらず全然知らない人たちに謝ってきました、もう帰りたいです。」

アナウンサー「あっ、先生!早速この店の名物料理のコースが来ましたよ!まずはサラダですって。」

五十嵐「いや?これはおいしそうですね。それじゃあいただいてみますね。」

アナウンサー「どうぞどうぞ。」

五十嵐(パクッ)

五十嵐「これはすごいですね?!甘味があります。野菜本来の甘みっていうんですかね、とにかく野菜が甘いんですね。食材にこだわってますね。」

アナウンサー「なるほど、流石は老舗ですね、素材が厳選されています!それでは先生スープの方もどうぞ。」

五十嵐(ズズッ)

五十嵐「こ、これは!」

アナウンサー「いかがですか?」

五十嵐「甘くないと言えば嘘になります。なんかもうね、すごいね。感動したね。『あっ、スープってこんなにも甘くなるポテンシャル秘めてたんだ』みたいなね、すごいよこのスープ!ちょっと言葉にするのが難しいし視聴者の皆さんにこの表現分かっていただけるか存じませんけど、『野菜本来の甘みが活きてる』ね。」

アナウンサー「さっき言いましたよ。」

五十嵐「とにかく甘味が素晴らしいですね。」

アナウンサー「そ、そうですか…甘味が…。そ、それでは先生、いよいよメインディッシュの、この店に代々伝わるこだわりのハンバーグをどうぞご賞味なさってください!」

五十嵐(パクッ)

五十嵐「こ、これはっ!!」

アナウンサー「いかがですか先生!?」

五十嵐「素材の甘みが活き」

アナウンサー「カメラ止めてっ!!!!!」



(オンエアー)

(オフエアー)



五十嵐「一体どうしたんだと言うんだね?」

アナウンサー「先生、甘味以外のコメントもしていただいていいですか。」

五十嵐「バカな!?私から甘味を取ったら何が残るというんだ!?甘味以外の味覚は全部母親のお腹の中に置いてきたというのに。」

アナウンサー「それはグルメリポーターとしてどうかと思いますよ!?」

五十嵐「それでは私にどうしろと?」

アナウンサー「それじゃあ僕が隣で小さな声で囁くんで、それをヒントにしてコメント下さい。」

五十嵐「なるほど、分からなかったと言えば嘘になる。」

アナウンサー「その言い回し好きですね。」


(オフエアー)

(オンエアー)



アナウンサー「それではメインディッシュのこだわりハンバーグをどうぞご賞味して下さい先生!」

五十嵐(パクッ)

五十嵐「こ、これは!」

アナウンサー「(肉のうまみと、玉ねぎの香りが豊かで…)」

五十嵐「これはすごいですよ、あのね、肉のうまみと玉ねぎの香りが豊かで、」

アナウンサー(よしいいぞ。)「(わずかな酸味と相まって素晴らしいハーモニーを奏でています。)」

五十嵐「わずかな酸味と相まって素晴らしいハーモニーを奏でています。これら全ての味が絶妙な比率で混ざり合うことによって結局甘味を引き立てているんですね!」

アナウンサー「バカ野郎!!」



(オンエアー)

(オフエアー)



アナウンサー「五十嵐先生…。一体どういうおつもりなんですか、話が違うじゃないですか。」

五十嵐「斉藤君、聴いてくれるかな。私はね、甘やかされて育った。しかし人生そんなに甘くはなくてね、甘やかされて育った私はその後何度も何度も挫折を味わった。しかし私は努力した。努力してとうとう念願のグルメリポーターとなった。苦しかったが、あの挫折の日々も今となっては甘美な思い出なんだよ。」

アナウンサー「五十嵐先生、僕はだんだん腹が立ってきましたよ。」

五十嵐「もう甘味しか見えない。」

アナウンサー「先生、このままだと収録は中止になってさらに先生は職を失ってしまいますよ。いいんですか?」

五十嵐「そ、それは流石に困るな…。私とて毎日起きぬけに砂糖の飽和水溶液を軽く5L飲むことで1日の始まりとしているが、そんな苦汁は飲まされたくはないな。」

アナウンサー「そうですよね、仕事は仕事、プライベートはプライベートと割り切ってやりましょうよ。あと今の砂糖水と苦汁をかけた一言全然おもしろくありませんでしたよ。」



(オフエアー)

(オンエアー)




アナウンサー「さあ、それでは先生、メインディッシュのこだわりハンバーグをどうぞご賞味して下さい!」

五十嵐「よし!それでは早速この店の名物こだわりのハンバーグ、を横目にテーブルの上に備えてある砂糖をねぶり倒そう!」

アナウンサー「うわーい!先生ったらもはや甘味の質にさえこだわらなくなってきっちゃったぞー☆!」




(オンエアー)

(オフエアー)



アナウンサー「五十嵐先生、僕手が出そうですよ。」

五十嵐「斉藤君、私はね、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家がもしかしたら実在するんじゃないかと思って毎日グーグルアースで世界中を見回すことを怠らないんだ。」

アナウンサー「8割がたニートじゃないですか。」

五十嵐「あー、奄美大島住みたい。」

アナウンサー「甘くはないですよ!?無理やりにもほどがありますよ!もしそうだとしたら奄美大島の生態系はアリとアリクイのみで構成されることでしょうよ!」

五十嵐「えー何今のツッコミ、無駄にしつこい。」

アナウンサー「あなたの甘味に対する固執の方がよっぽどしつこいですよ!」


アナウンサー「先生、今ならまだ引き返せます。甘味から一時だけでいいので離れましょう。我々に、カメラのレンズをあなたの血で染めて常時中東の砂漠をサーモグラフィーで撮影してるみたいにはさせないでください。これはお願いです。」

五十嵐「斉藤君。男にはね、…絶対に譲れない物があるんだ。分かるだろう?」

アナウンサー「せ、先生…そこまで甘味のことが。」

アナウンサー「どうやら僕は歴史的な場面に出くわしてしまったようだ。日本で初めての、甘味専門グルメリポーター、五十嵐甘夫の誕生の場面にね。」

五十嵐「斉藤君…。」



我々スタッフと五十嵐先生は店を後にし
ロケバスに乗り込んだ


五十嵐先生はまた全員からドロー4の集中砲火を浴びていた
しかしどこか楽しそうだった


人生はそんなに甘くはないのかもしれないけど、
全く甘くない人生はなんだかつまらないものだ。


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