ヤクルトレディースの平均握力は102.5kg 2015年12月26日 妄想 トラックバック:0コメント:0


「からし色のチノパン履くのやめて、おでん及びフランクフルト食べたくなっちゃうから」

彼女はそう、息を詰めながら、切ない表情をして言った。

なぜ僕はあのとき気づいてあげられなかったんだろう。

からし色のチノパンを履けば、彼女がおでんやフランクフルトを食べたくなって、散々苦しむという当然の事実に。

季節は過ぎ行き、また春が訪れ、僕はからし色のチノパンを履くのをやめ、淡いすみれ色のカーディガンを羽織った。

彼女は少し照れくさそうな、はにかんだ笑顔を見せながら現れ、僕に言った。

「淡いすみれ色のカーディガン羽織ってくれてありがとう。なんの躊躇もなくサラッと奇抜な髪色に染め出した割には意外と人のいい、なぜそんな髪色に染め上げたのか根拠が分からないけどもそれ故に心の温まる、たまにいる中高年のおばさんを思い出すの」


彼女がそう言うと、壮麗なウグイス色を想起させるような、鮮やかな風が吹き抜けた。
人を愛さずにはいられないような気持ちを呼び起こす、澄んだ薄紅色のワンピースを着た、彼女の隣を。


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